試乗記2 BMW M3 competition xDrive

はじめに

こんにちは!今回はBMWのM3 Competitionを試乗してきましたので内外装と試乗の感想をご紹介しようと思います。
MはBMWの中で最もスポーティーなクルマに付けられる称号で、M3はBMWを代表するDセグメントセダンである3シリーズのスポーティー(サーキット)仕様で、Competiton がつくとエンジンが強化されさらに速い仕様になります。M3はCompetitonしか存在しませんが、クーペボディーのM4はベースグレードとCompetitonの両方が販売されています。

BMWになじみのない方はxDriveと聞いてもピンと来ないかもしれませんが、xDriveというのはBMW独自のFRベースの四輪駆動システムのことで、近年のBMWのハイパフォーマンスモデルはxDriveが主流です。日本ではxDriveとFRの両方とも販売されていますが、今回はxDriveを試乗させていただきました。

スペック

3L直列6気筒ツインパワーターボエンジン
510馬力,650 Nm(M3,M4のCompetition) / 480馬力,550 Nm (M4のベースグレード)
8速AT
0-100km/h 3.5秒(M xDrive) / 3.9秒(FR

ホイール:19/20インチ M ライト・アロイ・ホイール・ダブルスポーク・スタイリング825M〔鍛造〕バイ・カラー(ブラック) (front 19インチ・rear 20インチ) *標準装備
タイヤ:ピレリ P ZERO

価格:1351万円~

外装

この車は登場からはや2年が経とうとしていますが(2020年9月発表)、登場当時は大きなキドニーグリルが物議を醸し一躍話題のクルマとなりましたね。

皆さんはこのデザインどう思われますか?見慣れてきた方も未だに受け付けないという方もいらっしゃるでしょう。感性は人それぞれですから、デザインの良し悪しは付けられないのですが、私はデビュー当時から結構すんなり受け入れることが出来た人の一人でした。もちろん昔ながらのBMWデザインも大好きですし、個人的に一番好きな現行車種は昔ながらのデザインテイストが残る5シリーズだったりします。BMWとして考えれば確かにグリルが大きすぎるという意見も頷けますが、ただ単に近年のトレンドである大型グリルを取り入れたクルマとして捉えれば十分よく考えられたデザインだと思います。Audiだってシングルフレームグリルにした当初は違和感があったのかもしれませんが、今となっては当たり前のように受け入れていますよね。10年後くらいにこのデザインが当たり前になって先入観が薄れてきた頃にこの車のデザインを再評価すれば今よりも気に入る方は多くなる気がします。実物を見ると余計にそう思うのかもしれません。実物を見ると写真よりも立体感があり、もりもりとした筋肉質の造形に圧倒されます。普通のクルマとは明らかに違うオーラがあるんですよね。白よりもシルバーのような陰影がはっきりする色だとよりよく見えるのかもしれません。私にはこのクルマのフロントフェイスで特に気に入っている部分があります。それはキドニーグリルからボンネットに繋がる二つの盛り上がりです。車体の真ん中に二本の太い管が通っていてそれがフロントでグリルとして外に姿を現しているという風に見えませんか?決してグリルだけがポン付けされているのではなくボディー全体に繋がりを感じます。

フロントについて語りすぎてしまいましたが、サイドやリアのデザインは伝統的なセダンの形をしておりかっこいいと感じる方も多いのではないでしょうか。四本出しのマフラーやリアスポイラー、サイドリップ、カーボンミラー、カーボンルーフなど、男心くすぐるスポーティーなパーツがたくさん付いています!切削加工がされた標準のホイールも非常に細い10本スポークでかっこいいですね!標準の3シリーズとは違い、グリルやサイドウィンドウモールなどが黒基調となっているのも締まって見えて良いですね。

内装

内装は素材、色の違いにより16種類から選ぶことが出来ます。赤はレクサスのFsportsのフレアレッドほど派手ではないですが、オレンジは結構鮮やかな色なので購入を検討される際は実物を確認してから購入することをお勧めします。ブラック内装でカーボンのオプションをつけないと内装から普通の3シリーズとの違いを感じにくいので特別感が欲しい方はカーボンオプションを入れた方が良いかもしれません。

MモデルだとステッチがMカラーの水色と赤色になるほか、センターコンソールにあるM3competitonのマーク、赤いスタートボタン、M1、M2ボタンもMならではの特別感を与えてくれます。個人的にはノーマルのシルバーのステアリングが好きなのですが、オプションのカーボンステアリングもスポーティーでかっこいいですよね!ステアリングのスポークについた赤いM1,M2ボタンには好きなセッティングを登録でき、ワンタッチで呼び出せるので非常に便利です。もちろん真ん中のナビ画面で一つずつカスタムすることもできますし、センターコンソールにつけられたボタンでスポーツモードなどのあらかじめ決められたセッティングにすることも可能です。オプションのカーボンパドルシフトにするとサイズが大きくなり、より操作がしやすくなります。+、-の部分がくりぬかれ、赤く縁どられていたり、パドルの裏が赤くなっているのは男心をくすぐってくれます。

メーターやヘッドアップディスプレイの表示もM専用のものが与えられています。Mモードにするとヘッドアップディスプレイにタコメーターが出てきて、回転数を上げすぎると黄色のバーが出てきます。メーターも余計な情報が減り、スピード、ギアが大きく表示され、真ん中に大きくタコメーターが表示されます。

シートはスポーティーな専用シートになっており、M専用のシートカラーが用意されています。見た目がかっこいいだけでなく、ホールド性が高いのに長く走っても疲れなさそうな快適なシートです。後席はふつうの3シリーズと変わらない広さを持っており、スポーツカーとしては十分すぎるほどの広さです。この車なら週末に家族でおでかけするのにも使えますね!アンビエントライトは後席にもついています。個人的にはメルセデスほど派手に光らないのが好きです。個人的なお気に入りポイントは前席のヘッドレストについている光るM3マークです!

ドライブフィール

運転して感じた第一印象はサーキットを主眼に置いたMシリーズにしては意外と乗り心地が良いなということです。街中の古い路面に見かける大きな凹凸に対する乗り心地はむしろ普通の車よりも良いくらいです。橋のつなぎ目や減速帯ではガツンと衝撃が来るので普通の人は嫌がるでしょうが、自分は車体の剛性感を感じられてむしろ安心感がありました。路面の凹凸を拾っても振動の収束が早くてスッキリとした乗り味で振動も不快には思わなかったです。

走りの部分は文句なしの満点という出来栄えでした!エンジン音は最高で、加速時に前後のタイヤで押し出される感覚も良かったです。Audiのquattroほどではないですが、加速時の安定感も素晴らしく安心感がありました。エンジンサウンドはとても大きく直列6気筒の素晴らしいサウンドが車内に響き渡ります。直列6気筒はエンジン振動が少なく、ステアリングやペダル、車体にその振動が全く伝わって来ませんでした。アクセルを踏んだ時のレスポンスも早く、とても気持ちの良いエンジンです。今まで様々なエンジンのクルマに乗ってきましたが、BMWの直列6気筒はポルシェの水平6気筒と並んで最も好きなエンジンです!

ステアリングのキレも素晴らしかったです。Mモードだとステアリングを素早く揺さぶるとものすごく機敏に車体が動きます。ステアリングから前輪までの間に一切の緩みがなく、操作そのままの動きをします。それでいて普通に運転しているときは過敏で不安といった感覚はなく、むしろ意のままにクルマがまっすぐ走り、曲がるため、安心して非常にゆったりとハンドルを切ることができます。同じ日に5シリーズの直列6気筒モデルである540iも運転しましたが、M3のMモードの方が540iのスポーツモードよりステアリングは軽くて自然で好みでした。

実用性

電動シート、ステアリングの電動チルト、テレスコ、シートベンチレーターなどの快適装備がついています。トランクも標準的なDセグメントのセダンのトランクサイズを持っており、究極のドライバーズカーでありながらゴルフや家族での遠出にも使える実用性を備えています。

ただ、しばらく運転していれば慣れるものの、サイドミラーは小さくて後ろの見切りは悪いです。あまりにサイドミラーが小さくて試乗前にミラーを調整する時は面食らいました(笑)太いAピラーと厚いサイドミラーにより、サイドミラーとAピラーの間から斜め前の様子を知ることが出来ず、右左折時や人通りが多い路地などで不安になります。リアミラーの見切りは普通です。

まとめ

今回はBMW M3 Competiton xDriveをご紹介しました。BMWと言えばFRというイメージがあったのですが、M3のxDriveは後輪の比重が高い四輪駆動で、四輪駆動による高い安定性と加速感、FRのような運転する楽しさを体現した家族で乗れる究極のドライバーズカーであることが分かりました。BMWの直列6気筒エンジンは噂通りの素晴らしいエンジンで、ぜひ皆さんにも体験していただきたいクルマです。カーボンニュートラルが叫ばれる中、この先はどんどん純エンジンのスポーツカーが買えなくなっていきます。少しでも興味が湧いた方はお早目にお近くのディーラーか私が試乗させていただいたBMW東京ベイに行ってみてください!

試乗場所

この車はお台場にあるBMW東京ベイにて試乗させていただきました。BMW東京ベイは誰でも気軽には入れてたくさんの最新車種の試乗が出来る場所となっています!お買い求めしやすい車種のみならず、7シリーズのような上級車種やMモデルの試乗も出来ます。試乗をしなくても展示車がたくさんあるのでクルマ好きなら誰でも楽しめる場所となっています!
BMW東京ベイについてはこちらの記事で紹介していますのでぜひ併せてご覧ください!

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